聴力は一般に30歳代を境に衰え始め、特に高音域から低下していきます。
日常の聞こえ方について思い返してみましょう。まずは、ご自身の聴力の状態を正確に知ることが大切です。当地域では数少ない、厚生労働省認定補聴器適合判定医による適合検査を行うことができます。以下の項目に1つでも心当たりがある場合は、一度ご相談ください。
このような症状はご相談ください
- 聞き間違いが多い
- 話しかけられた際に、聞き返すことが多い
- 他の音が重なると、会話がうまく聞き取れない
- テレビを観るとき、家族と同じボリュームでは聞き取りにくい
- 銀行や病院の窓口などで、名前を呼ぶ声が聞こえづらい など
補聴器
補聴器を装着しさえすれば、昔と全く同じような聞こえに戻れるというわけではありません。しかし、今まで聞こえなかった音が聞こえるようになることで、生活の中でのさまざまな不便が軽減され、より快適に暮らすことができるようになります。
よく誤解されていますが、補聴器は眼鏡のように買って装着したらすぐに快適になるわけではありません。装着し始めた当初は今まで聞こえなかった雑音が聞こえてしまい、不快と感じてしまいます。しかし補聴器を装着し続けることにより、雑音がだんだんと気にならなくなります。これを私たちは「脳のリハビリ」と呼んでいます。初心者の頃は弱い度数から慣れ始め、「脳のリハビリ」が進んだら度数を強くしていき、会話に不自由のないレベルでの補聴を目指していきます。このような過程があるため補聴器は買って終わりではありません。補聴器購入後、無くてはならない補聴器を目指して、ぜひ補聴器適合判定医・補聴器相談医にお手伝いをさせてください。
補聴器購入に際して医療費控除を受けるために
超高齢社会を迎え、身体障がい者に限らず広く補聴器を活用することは重要と考えられています。しかし補聴器は高額な医療機器であり購入者にとって大きな負担となっています。
平成30年度から、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の活用により、補聴器購入費を医療費控除に含められることになりました。当院でも補聴器相談医による「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を作成することができますので、補聴器購入の前に是非ご相談ください。