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重症花粉症治療ゾレアについて

ゾレアとは

スギ花粉症の反応がひどい重症花粉症といわれる方に、2月~5月の間のみ投与可能な抗体製剤ゾレア(一般名:オマリズマブ)という注射薬です。血液中の総IgE値(濃度)と体重から投与量が計算され、2週間もしくは4週間おきに、1~4本、皮下注射にて投与します。

※ゾレアを投与しても抗ヒスタミン薬の服用は継続する必要があります。

ゾレア治療がお勧めの方

  • 症状が飲み薬や点鼻薬などを使用しても治まらず1日中ティッシュが手放せない方
  • 内服薬の眠気が強く出てしまい薬剤の増量が出来ない方
  • レーザー治療など手術治療に抵抗のある方
  • 勉強に集中したい受験生の方やスポーツに打ち込みたい学生の方

ゾレア治療を受けられる方

以下の全てを満たす方が対象となります。

✅12歳以上で、体重が20~150㎏の範囲にある方
✅血液検査で、血液中の総IgE値が30~1500IU/mlの範囲にある方
✅スギ花粉のアレルギー検査結果が陽性の方
✅症状の程度が「重症」「最重症」と認められる方
✅従来の治療法で効果がみられなかった方

※「重症」「最重症」については、“鼻閉”と“くしゃみ”または”鼻水”の程度によって判断されます。「くしゃみまたは鼻をかむ回数が20〜11回」、もしくは「鼻づまりの程度が強く1日のうちかなりの時間を口呼吸で過ごしている」という方は、「重症」と分類され、「くしゃみまたは鼻をかむ回数が21回以上」、もしくは「1日中、完全に(鼻が)詰まっている」場合には、「最重症」と分類されます。

ゾレア治療のスケジュール

当院では即日結果が出るアレルギー検査機器を導入しています。ゾレア投与までの通院回数を減らし、出来る限り患者さんの負担が軽減する取り組みをしています。

※従来の治療(内服薬、点鼻薬、点眼薬など)をしていない場合は、まずは従来の治療を行って頂き効果が不十分であればゾレア治療開始となります。

≪従来治療で効果不十分の方≫

  1. 初回診察:問診
    問診をして、重症または最重症のスギ花粉症であるかどうかを診断します。また、従来の治療薬を確認し効果の有無を判断します。
  2. 初回診察:採血
    採血を行い、ゾレア治療が可能かどうかを検査します。検査結果を確認し、用量、投与間隔を決定します。
  3. 二回目診察:ゾレア治療開始
    ゾレアの投与を行います。

≪従来治療をまだしていない方≫

  1. 初回診察:問診
    問診をして、重症または最重症のスギ花粉症であるかどうかを診断します。
  2. 初回診察:従来治療
    従来の治療(内服薬、点鼻薬、点眼薬など)を開始します。
  3. 二回目診察:採血
    初回の治療の効果を確認します。不十分の場合、採血を行い、ゾレア治療が可能かどうかを検査します。
  4. 二回目診察:ゾレア治療開始
    検査結果を確認し、用量、投与間隔を決定します。その後ゾレアの投与を行います。

ゾレア治療の費用

ゾレアの投与量・投与間隔は患者さんごとに異なりますので、薬剤費も個人差があります。場合によっては自己負担額が高額になる事もあります。
目安は下の表を参考にしてください。

※子ども医療受給者証をお持ちの方は治療費がかかりません。12歳以上が対象になりますので、12歳~18歳の方は無料で治療が受けられます。

※ゾレア皮下注シリンジの薬価は2024年4月時点のものです

ゾレア治療の限界とその他の治療選択

ゾレアは重症のスギ花粉症患者に対して効果的な治療法ですが、その効果は主に治療を受けているシーズンに限定されます。
治療後の症状の改善は顕著ですが、次のシーズンには再び症状が現れます。花粉の飛散が多い年や重要なイベント(受験など)のある年には使用して、中長期的には舌下免疫療法などでのコントロールを考えても良いと思います。舌下免疫療法は、スギ花粉やダニ抗原を原料とした錠剤を少量から舌下に連日投与することにより、体を慣らしてスギ花粉やダニ抗原によるアレルギー症状を和らげる治療です。
詳しくは下のリンクをご覧ください。

ゾレア治療の副作用と安全性

主な副作用は、注射部位の赤み・かゆみ・腫れ等の反応です。
これらの副作用は通常軽度で、時間とともに自然に解消されることが多いです。しかし、副作用が長引く場合や不安を感じる症状がある場合には、相談してください。
また稀にアナフィラキシーショックという重篤なアレルギー反応が発生するリスクがあります。ゾレア投与後の注意に関しては、医師や看護師の指導に従い、症状が出た場合はすぐにお知らせください。

≪アナフィラキシーが疑われる症状≫

  • 全身のかゆみ
  • 気管支のけいれん
  • 呼吸困難
  • 血圧低下
  • 蕁麻疹
  • くちびる、舌、のどの奥の腫れ
  • たちくらみ
  • 失神

製薬会社リンク

以下製薬会社のリンクもご参照ください。